会長挨拶
ストラクチャークラブ・ジャパン
ライブデモンストレーション2023
会長 七里 守(榊󠄀原記念病院 循環器内科)
榊󠄀原記念病院は、1976年に松任谷由実さんが中央フリーウェイで歌った調布基地の横にあります。調布基地の一部は今でも調布飛行場として使用されていますが、加えて味の素スタジアムや武蔵野の森総合スポーツプラザが建てられ、東京オリンピック開会式やラグビーワールドカップ開幕戦が開催された場所となっています。時代とともに同じ場所もその役割を変えていきます。
心血管カテーテル治療は、長い間冠動脈疾患がその中心でした。井上寛治先生が世界に先駆けてINOUEバルーンによるPTMCを開始したものの、非冠動脈疾患に対するカテーテル治療の対象疾患と症例数は限定的でした。しかし、2000年代に先天性心疾患に対するカテーテル治療がわが国でも始まり、2013年10月に我が国でもTAVIが臨床使用可能となったことで、今ではストラクチャーインターベンションは心血管カテーテル治療の重要な領域となりました。その後、TAVIのデバイスは進歩し、僧帽弁に対するカテーテル治療も行われるようになりました。弁膜症チームという言葉がガイドラインにも使用されるようになりました。2019年から心原性脳塞栓症予防のために左心耳閉鎖術や卵円孔閉鎖術が可能となり、ブレインハートカンファレンスも広がっています。2021年には経皮的肺動脈弁置換術、2023年には弁周囲逆流閉鎖術が認可されました。三尖弁領域でのカテーテル治療の治験も始まっています。ストラクチャークラブジャパンは、この領域における最新の知識の取得と問題点の検討、経験の共有などを通じて医療レベル向上に貢献することをミッションとして掲げています。本会ではこれら新しい領域に重点的に取り組み、学びの多いセッションを予定しています。
ライブデモンストレーション2023が、ストラクチャーインターベンションが未来に続く原動力の会となるように皆で盛り上がっていきましょう。11月の新宿で皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。